もう怖くない!初心者のための必須Unixコマンド超入門 🧭

黒い画面に文字がたくさん……。最初は怖いかもしれません。

しかし、やっていることは単純です。

最初にコマンドを指定し、そのコマンドに対して引数やオプションを追加するだけです。

ここでは、最低限Unixを扱えるようになるコマンドの一覧を見ていきましょう。

ls - 中身を一覧表示

ls は、今いる場所(ディレクトリ)や指定した場所に、どんなファイルやディレクトリがあるのかを一覧表示するコマンドです。「list」の略だと覚えると簡単です。部屋の中を見渡して、何が置いてあるか確認するイメージですね。

基本的な使い方

# 今いるディレクトリの中身を表示
ls

# /homeディレクトリの中身を表示
ls /home

便利なオプション

オプションを追加することで、ls はもっとたくさんの情報を教えてくれます。オプションはコマンドの後ろにハイフン-をつけて指定します。

# 詳細情報を表示 (-l: long)
ls -l

# 隠しファイルも表示 (-a: all)
ls -a

# オプションは組み合わせられる!
ls -la

-l (long): ファイルのサイズ、持ち主、更新日時、そして「パーミッション(権限)」という、誰がそのファイルを読み書きできるか、といった詳細な情報を表示してくれます。まるで持ち物リストに詳細な説明書きが加わるようなものです。

-a (all): 通常は表示されない「隠しファイル」も表示します。隠しファイルはファイル名の先頭がドット . で始まっており、大事な設定ファイルなどが多いです。普段は見えないカーペットの下まで、しっかりチェックするイメージです。

cd - ディレクトリを移動

cd は、作業する場所(ディレクトリ)を移動するためのコマンドです。「Change Directory」の略です。家の中で、リビングから寝室へ移動するような感覚です。

基本的な使い方

# ホームディレクトリに移動
cd

# 絶対パスで移動(正確に指定する)
cd /home/user/Documents

# 相対パスで移動(今いる場所から見てあっち、と指定する)
cd work

# 一つ上の階層のディレクトリに移動
cd ..

# 直前にいたディレクトリに戻る
cd -

pwd - 現在地を確認

pwd は、今自分がどのディレクトリにいるのか、そのフルパス(絶対パス)を表示してくれるコマンドです。「Print Working Directory」の略です。cd コマンドで移動していると、「あれ、今どこにいるんだっけ?」と迷子になることがあります。そんな時に pwd を使えば、カーナビの「現在地」ボタンのように、あなたのいる場所を正確に教えてくれます。

使い方

# 現在いる場所のフルパスを表示
pwd

mkdir - ディレクトリを作成

mkdir は、新しいディレクトリ(フォルダ)を作成するコマンドです。「Make Directory」の略です。ファイルを整理するための、新しい箱を作るイメージです。

基本的な使い方

# 'test'という名前のディレクトリを1つ作成
mkdir test

# 'dir1'と'dir2'というディレクトリを同時に2つ作成
mkdir dir1 dir2

# 深い階層のディレクトリを一度に作成 (-p: parents)
mkdir -p a/b/c

rm - ファイル・ディレクトリを削除

rm は、ファイルやディレクトリを削除するコマンドです。「Remove」の略です。このコマンドは非常に強力なので、使い方には最大限の注意が必要です。

基本的な使い方

# file.txtを削除
rm file.txt

# .txtで終わるファイルをすべて削除
rm *.txt

注意が必要なオプション

# ディレクトリを中身ごと削除 (-r: recursive)
rm -r directory

# 確認メッセージなしで強制的に削除 (-f: force)
rm -f file.txt

🚨 【最重要注意点】: rmで削除したファイルやディレクトリは、ゴミ箱には入りません。基本的に元に戻すことはできないと考えてください。特にrm -rfは警告なしに全てを削除するため、実行前にはpwdで現在地を何度も確認するくらいの慎重さが必要です。

cp - ファイル・ディレクトリをコピー

cp は、ファイルやディレクトリをコピー(複製)するコマンドです。

基本的な使い方

# file1.txtをfile2.txtという名前でコピー
cp file1.txt file2.txt

# file.txtを /home/user/ ディレクトリにコピー
cp file.txt /home/user/

# ディレクトリを丸ごとコピー (-r: recursive)
cp -r dir1 dir2

mv - ファイルを移動・名前変更

mv は、ファイルやディレクトリを移動させたり、名前を変更したりするコマンドです。「Move」の略で、2つの顔を持っています。

使い方1:名前の変更

# old.txt を new.txt に名前変更
mv old.txt new.txt

使い方2:移動

# file.txt を /home/user/ ディレクトリに移動
mv file.txt /home/user/

cat - ファイルの中身をサッと表示

cat は、ファイルの中身をターミナルに表示するコマンドです。元々は「Concatenate(連結する)」の略で、複数のファイルを繋げて表示するのが得意です。短いテキストファイルの中身をサッと確認したい時にとても便利です。

基本的な使い方

# file.txtの中身をすべて表示
cat file.txt

# 2つのファイルの中身を連続で表示
cat file1.txt file2.txt